〜双子の憂鬱〜

「君は・・・本当に真っ直ぐな人だね。大吾がそう言ってた。
・・・認めるよ。よく気付いたね。隠して来たのに。大吾ですら気付いてないのに。」


淋しそうに笑う彼の表情に切なくなる。

何故そんな顔をするの?


「長いこと蓋をして来た。これからも表に出すことはないよ。
大吾にもだまってて。お願いだ。」


ゆっくりと下げられた彼の頭を眺める。


宣戦布告のはずが、何故か不戦勝みたいだ。


「ユウちゃん。君と生活するようになってから大吾は変わったよ。
いい意味で、だよ?
喜怒哀楽が表現出来るようになったし、笑うようになった。
あれは君じゃなけりゃできなかったことだ。

食事に誘いたい女がいる、って連絡を貰ったときに俺の気持ちはけりがついてるんだ。


だから心配いらないよ。」

顔を上げた二宮の瞳が揺れていた。


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