都合のいい女の条件
紳士
「何が食いたい?」
「そうですねー…お好み焼きですかね」
ふむ…
「いいな。決まりだ」
店に入ってメニューを見る
えーと
「とりあえず…「ビールですか?」」
「…うん」
「すみません、ビールとレモンサワーください」
ちょっと待て
「お前、酒ダメだろ」
すると、フフンと得意気に
「20歳になったんです!」と言った
「ふーん。ならいいけど」
……よくない!!
「誕生日はいつだ!?」
「一昨日です」
~~ー!
「なんで言わないんだよ」
「えっ、だって」
ああ、発言してすぐに後悔した
そりゃそうだ
俺たちは恋人じゃない
聞いてたところで何かがあるワケじゃない
そんなこと百も承知
俺は何言ってるんだ
「……じゃ、誕生日ってことで
今日は奢ってやる」
「ありがとうございます」
そうだ。これでいい。
形のないモノをあげるのがいい
思い出になんか残らないモノの方がいい