都合のいい女の条件

「はい。これを混ぜてください」


混ぜるくらいは出来るさ



「なんだこれ!?メチャクチャこぼれる」

「急がないでゆっくりです」


「大体、中身が溢れるほど入ってるって
どういうことだ。

それか器を大きくすればいいのに!」



「次は鉄板に油をしいてから流し入れてください」

よし



…………

「ね、まだ?」

「まだです」


…………


「もういいだろ」

「ダメです」


さっきから
ひっくり返したくて仕方ないんだが
GOサインが出ない



「もういいですよ」

「よしっ!!」



あれ?ちょっと待てよ、あれ?

「なかなか難しいな」


見た感じだと簡単に見えたんだけどな


「躊躇しないで!一気にやってください!!」


ええいっ



鉄板の上に片面だけ焼けたお好み焼き


「よっしゃ!!出来た!!」


「あはははっ。輝さん、かわいい」



――………


ハッ

危ない



またキスするところだった


鉄板越しにキスしたら火傷する

危険だ



―って、違う!


危険なのは俺の思考回路だ

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