都合のいい女の条件
「輝先輩、スライドの準備オッケーです」
「ん。了解」
「相変わらず先輩は判断が早いですよね」
「そんなことないさ」
タイムテーブルと時計を確認する。よしよし順調だ
すると「輝さん、はい」と響子が飲み物を持ってきてくれた
「ん。ありがと」
「忙しそうですね」
「仕方ないさ。山口先輩の代理だからな」
竹田が口を開いた
「神田さん…だよね。すごいね。
輝先輩に“任せた”って言わせた人、
遠藤先輩以外で初めてみた」
「えっ…そうなんですか」
「うん。ね、輝先輩」
「んーそうだっけな?」
「ね、神田さん、輝先輩と付き合ってるの?」
「え、えっと…」
俺はズルいんだ
黙ることで、手元のタイムテーブルを確認するフリして
響子に答えさせようとしたんだ
響子が本当は
白なのか、黒なのかを
知ろうとしたんだ