都合のいい女の条件
「別に隠さなくてもいいのに」
「付き合っていません」
ー!
「嘘だあ。だって「竹田」」
「15分後にスライド始めるから」
「あっ、はい」
「一服してくる。それまでには戻るから」
店の外に出て入り口の横にある灰皿の横に立つ
空は相変わらず不安定で、また雨が降りそうだ
―ショックだった
付き合っていない事実に、ではない
どこかで、響子は俺のこと好きなんだろうと自負してた
―落ち着け
響子は“白に近いグレー”で、俺は“黒に近いグレー”だと思ってた
-冷静になれ
まだやることがある。俺がブレちゃだめだろ。
今日は山口先輩の代わりなんだから
トップで仕切る人間はブレてはいけないんだ
動揺を周りに悟らせるな