都合のいい女の条件
ーコンコン
ハッとして顔を上げる
響子だ
ドアのロックを外す
「お待たせしました。すみません」
「いや」
………
「三次会に誘われてたんじゃないの?」
「いいんです」
「そっか」
あーもう、遠藤の車だけどいいや
窓を開けて煙草に火をつけた
「吸ったら車出すわ」
「はい」
運転席に座りながら窓の外に煙を吐く
「受付、大変だったろ?」
「大丈夫です。楽しかったです。輝さんの方が疲れてるんじゃないですか?」
「……ちょっとだけね」
あと半分で吸い終わる
「料理おいしかったですね。私、沢山食べました」
「そっか」
「輝さんは何がおいしかったですか?」
「あー…」
「もしかして、食べてないとか?」
「あー…うん」
「輝さん、自分で皆にちゃんと食べて飲んで楽しめって言ったじゃないですか」
「ウーロン茶飲んだから大丈夫」
吸い終わった
「帰るか」