桜梅〜君の事を忘れない〜
君と出会った時
「李乃!はやくはやく!」

_____...元気そうに凪流が言った。今日は入学式。私と凪流は、この春、桜乃梅律歌中学に入学した。お嬢様も結構いる、名門中学校だ。ここに入れたのも、凪流が勉強を教えてくれたおかげだ。

「李乃?おーいっ!何してるのさっ」
「まっ、まって!凪流。」

私はまだ水溜りが残っている雨上がりの歩道橋を走った。

「早く!」
「はーいっ...キャッ!!」

歩道橋は雨で濡れていて滑りやすい。走ったので案の定、滑ってしまった。

「大丈夫?本当に李乃はドジなんだから...」
「ごめん...」

私は小さく俯いた。



ガラッ
「遅いですよ。咲川さん、猪川さん。」
「えっ、あっ、あっ、すいませんっ!」

教室に入るともう皆、席に着いていた。
時計を見てみると8時半、5分遅れた?

キーンコーンカーンコーン

チャイムがなった。

「はい、早く席に着いて、朝の会始めます。終わったら、入学式ですよ。」
「はい...」


私と凪流は席に着いた。席は結構近いみたい。嬉しいな。




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