日々
第1章 生

第1節 危機的状況での誕生

1996年9月某日栃木県のとある片田舎に私は産まれました。
でも、無事に産まれたのは奇跡と言ってもいいくらい危険な状態での出産だったそうです。

予定日の1週間前、ママに陣痛が始まったのです。
パパはママを病院に連れていき分娩が始まるとすぐにパチンコに行ってしまったそうで、初めての出産であるママにとっては不安だったと思います。
そして、私の心音を聞いているときだんだんと私の心音が小さくなり聞こえなくなってしまったのです。
原因はへその緒でした。
私の首に二重に巻きついたへその緒が私を死へと導いていたのです。
そこで自然な出産は諦めて、帝王切開での出産になったのです。

そうして産まれた私は、『楓』と名付けられました。

産まれて2週間は保育器の中にずっと入れられていて、出られたのは退院の1日前でした。
そこからは、夜泣きもしない、あまり泣かない子だったらしく、ママも楽だったようです。

そして、何事もなく3歳の誕生日を迎えようとしていました。
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