叙情
「え?就職したの?」


「いや?元々仕事はしてたんだけどな。
ただ行かなかっただけで」


「意味わかんない」


「古着屋してんだけど
バイトの奴らに任せっぱなしだったからな」


「古着屋?総一が?」


「あぁ、18ん時に開業して
1年くらいは店で遊んでたんだけど
飽きてきたから
バイトの奴に任せっぱなしなんだよ。
潰れてもいいのに
潰れないんだよなぁ・・・」



店で遊んでたって・・・・

飽きたって・・・・


ますます、総一という人物が分からないんですが。



驚き、言葉を失う私に


「ってわけで
明日から、ちゃんと仕事行くけど
6時には帰ってくるんでー
晩飯、頼むな?」


「え、あ、うん」


頼まれてしまった。


頼まれた・・・やばい、うれしい。



どうしよう。明日何作ろう。


自然と顔がほころんでしまう。
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