叙情
ほんと・・・泣きたくなる。

自分のバカさに笑いたくなる。


あんな小さな神社の社じゃ
彼女と、ゆっくり過ごすなんてできないもんね・・・


でも、ちゃんとした家なら・・・


好きなだけ、好きな彼女と
何でも・・・・



そう、何でも・・・・


私と交わしたようなキスを

彼女とも・・・



想像するだけで

このリビングから出る事なんてできない。


自分の部屋にいて


総一と彼女の会話なんて
聞きたくない。


すべての力が抜けたように

テレビの前で

横になった。


意味の分からない番組を
寝転がり


ただ、ぼーっと眺めている。



これから、こうやって彼女が来る度

私は、自分の気持ちを押し殺していくんだろうか。


総一に、何も伝えないまま

総一と彼女の姿を見守っていくんだろうか。


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