叙情
「髪濡れてんじゃん。
もう寒いんだから
風邪ひくよ?」


そう言いながら
心配そうに私の顔を覗き込んでいる。


「だ、大丈夫。
ほら、昼間は まだ暑いくらいだし」


とは言ったものの
10月中旬、正直
若干寒くも感じつつ・・・

急ぎすぎて
上着を忘れ、長袖1枚だし・・・


「暑くなったら言って」


と言いながら暖房を最大にしてくれたけど


「え、あのでも・・
リオンくん、暑いんじゃ・・・」



若干、汗ばんでるし・・・



「いや、俺
風邪気味なのか寒くてさ」



「え?大丈夫!?」



「大丈夫大丈夫」



でも、汗が・・・・



風邪気味で汗ばんでるのか

私に気を遣って暑いのか

判断がつかず

オロオロしてしまっている。
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