叙情
そんな日々が一週間続いた頃・・

今日もいつものように
荒れた木々の横をすり抜けるように
無人の神社へと向かう。


けれど・・・


雨のおかげで
屋根のある賽銭箱の所まで
びしょ濡れという状態に

座る事もできず
ただ、傘をさし
突っ立っている事しかできない。



少し冷たい風と、横殴りの雨が
激しく打ち付け
どんどん体温が下がっていくような気がする。


けれど・・・・

あの家で、男と2人になるよりは
全然いい。


肩半分は濡れ、髪も濡れ
リュックなんて
びしょ濡れもいいとこだ。


「はぁ・・・・」


思わず、大きなため息がこぼれ


「寒いし・・・」


独り言まで出ている。


「雨さん雨さん
いい加減止んで下さいよ」


一応、神社だし・・・・

神様にお願いするように
空を見上げながら
呟いた。


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