叙情
そんな私の心情なんて気づくはずもない
無神経4人組は


「建野さんの番号教えてもらおうと思って待ってたの」


番号?って携帯のだよね?

それなら・・・


「私、携帯持ってないから」


「え?うそ!?」


そんな驚かないでもいいと思うんだけど。


別に、必要なかったし
今までほしいとも思わなかったし。


「じゃ、じゃあ
家の電話とかは・・?
そういえば、緊急連絡のとこに
書いてあったよね。
家に電話すればいいかな?」


家の電話はあるけど・・・

そもそも私自身家にいないし。


「家は・・・」


何て言えばいいのか分からない。


言葉に詰まってしまう私に


「真弓ちゃん、今
俺と一緒に住んでるから
俺の番号教えとくよ。」


隣にいたリオンくんが
助け舟を出してくれた。


「えっ!?一緒に住んでるって・・・」


4人で顔を見合わせ
驚いてるのか、唖然としているのか分からない表情で私を見た。


いや、リオンくん・・・
助け舟になってなかった気がする。
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