叙情
「ヤケドしたのか?」


呆れたように
総一がまひろさんの横に座り込んだ。



「痛い・・・・っ」


「見せてみろ」


まひろさんの手を取り
赤くなっている部分を見ながら


「真弓、保冷剤なかったか?」


「あ、たしかあったと思う。
ちょっと待って」


冷凍庫から保冷剤を取り出し
総一に手渡すと


「ほら、冷やしとけ。
送っていくから
もう今日は帰れ。な?」


「やだ、やだよ。
せっかく総ちゃんと時間気にせず一緒にいれるのに・・・」


泣きじゃくりながら
総一の腕を掴んでいる。



「はぁ・・・俺は
今、まひろとは一緒にいたくない」



大きくため息をつきながら
冷めた口調でそう突きつけるように言い放つと


「わり、真弓。
ちょっと、こいつ送ってくる。
ほら、立て」


泣いて離れない
まひろさんを無理矢理立たせ
引っ張るように外へ連れ出してしまった。



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