叙情
「友達?何、真弓
友達呼ぶの?」


「え?いやいや
私は呼べるような友達いないから」


「じゃあ、ダメじゃん」


「・・・・・・」



冷静な総一に拍手したくなる。



「リオンでも呼ぶか?」


「え・・・?」


「だな、リオンなら
全部知ってるし、何より
真弓の彼氏だもんな」


そう言いながら
携帯を取り出すと


「おー、リオン
めし食いにこねぇ?
あぁ、現場帰りでもいいから
寄れよ。はいはい、じゃあな」



あっという間に電話は終わってしまい



「良かったな、真由美。
仕事帰りにリオン来るってさ。」


「うん・・・」


「総ちゃーんっ!」


忍び足で近づいてきた 
まひろさんが
総一の背後から
思い切り抱きついてきた。
< 143 / 264 >

この作品をシェア

pagetop