叙情
「真弓ちゃん、お風呂は?」


「あ、うん。じゃあ・・・」


とは言ったものの・・・

すべての服類は
総一と暮らしてた部屋に置いてあるわけで・・・


「あの、リオンくん
服貸してくれる・・?」


「あ・・・そっかぁ・・・
だよね、何も持ってきてないんだ。
って事は・・下着類も?」


「あー・・・」


さすがに、下着は
リオンくんのを借りるわけにはいかない。


「ごめん、私
取りに帰ってきてもいい?」



「・・・・それはダメ」


まさか、ダメだという言葉が返ってくるとは思わず
驚いてしまっている。



「いい、俺買ってくる」


「へ!?い、いいよ!
私1人で行ってくるよ」


男のリオンくんに
女性下着を買いに行かせるなんて
そんな事できるはずがない。


「それもダメ。
じゃあ、2人で行こうか」


「あ、うん・・・」


アパートのすぐ先に
大型衣料品店に向かう為
外に出たと同時に


「手繋ご?」


そう言って、笑顔を浮かべ
手を差し出し
私の手を掴むように握ると
衣料品店に向かって
歩き始めた。


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