叙情
そのまま寝たフリをするわけにもいかず

目を開け


「おかえり」


そう言うしかない。


そんな私に


「ただいま」


と、笑って返事をしてくれている。



体を起こし、リオンくんに向かい合うように座ると



「ごめんね、一人にして」



夜中のせいか
静かに話すリオンくんに
少し戸惑ってしまっている。


そして、

私の頬に手をやると


「ごめんね、浮気しちゃった」



想像すらしていなかった言葉に

ますます返す言葉なんてものは見つからず

唖然とするようにリオンくんを見てしまっている。



けれど、ショックとか
そんな感情じゃなく

ただ、こういう時
どうすればいいか分からず
唖然としてしまっているという

そんな心境に近い感情だ。


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