叙情
そして、少しお洒落な雑貨店の前で立ち止まり

「ここで見てみよっか?」

「あ、うん・・・」


そう言いながら
店の方へ行こうと歩き始めた時


「真弓・・・?」


背後から
懐かしい声が聞こえ
振り向くのを躊躇ってしまっている。


「何か用?」


先に振り向いているリオンくんが
少し不機嫌そうな声で答えている。


「リオンは呼んでねぇんだけど?
真弓呼んでんだけど?」


「悪いけど、俺達
デート中なんで邪魔しないで?
行こう、真弓ちゃん」


そう言いながら
強く握られた手は引っ張られるように進み・・・



「っえ・・・ちょっ!?」


もう片方の腕を
後から引っ張られてしまっている。


その瞬間、見ないようにしていた後方に目を向けてしまい


「真弓、拉致っていい?」


少し笑みを浮かべ
そう言っている総一がいるわけで・・・
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