叙情
「手でもいいと思う・・・」


「そりゃ、油性ならいいけど
こんなボールペンじゃ
すぐ消えるじゃねぇか」


だからって、わざわざ
スカートめくって
太ももって・・・。


「ありがとう、じゃあ・・・」


「あぁ、八つ当たりなら
俺が引き受けてやっから
ケンカしてこい」


「うん、また八つ当たりするかもしれないけど・・・
いってくる」


「あぁ」



総一に見送られるように
車を降り、家の方へ歩き始めた。


あの男は、たぶん仕事でいないはずだ。


お母さんも仕事だけど
お昼を食べに、きっと帰ってくる。


その時しか
2人で話すチャンスなんてないわけだし・・・


学校の事、これからの事

ちゃんと話しなくちゃ

自分の事は自分で決めなくちゃ。




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