叙情
こんな事してる場合じゃない。


壁につたいバランスを取りながら
玄関の方へ向かうけれど

2つの固い鍵を開けれるはずもなく・・・


そうこうしているうちに

総一の車の音が聞こえ

玄関のインターフォンが鳴った。


「総一!?」


扉に向かって
そう叫んだ。



「真弓か!?大丈夫か!?」


扉の向こうで
総一の声がする。


「鍵が・・・」


「・・窓割るぞ?」


その言葉の直後

部屋の方の窓ガラスが
すごい音と共に割れ


割れた窓から入ってきた総一は


「おま・・何だよ、それ」


慌てながら
私を縛っているテープを
必死で解いてくれている。
< 224 / 264 >

この作品をシェア

pagetop