叙情
「ごめん、ごめんね総ちゃん。
・・・・帰るね」


「あぁ・・・・」


ゆっくりと立ち上がり
そのまま家を出て行くまひろさんを見ながら


総一は


「あー、何か
やな奴だな、俺」


そう言って
その場に寝転び
天井を見上げている。



私は、何もしてあげれない。


どんな言葉をかけていいのかすら分からない。


ただ、黙って

隣にいる事しか・・・できない。



「真弓、俺の事
幻滅した?」


少し笑みを浮かべ
私の顔を見上げるように見ている。


笑みを浮かべているけど・・・

それはきっと、傷ついた表情を隠すためで・・・



「え、お、おいっ!?」


心の奥が痛くて痛くて・・・

涙が溢れてしまい・・・


そんな私に驚き

慌てて起き上がると


「あーもう、何なんだよ?」


参ったように
私を抱きしめてくれている。
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