叙情
「デビル総一・・・・」


「デビル?って何だよそれ?ハハハ
俺は悪魔じゃねぇぞ?」


「絶対、私をからかって遊んでるでしょ?」


「いやいや、めっそうもない。
からかってんじゃなくて
可愛がってんだって」


「絶対ウソだ・・・」


「ほんとほんと、んなふくれんなよー
な?機嫌なおせ」


そう言いながら
私の顔に近づき
至近距離で目を見つめ



「くっ・・アハハハ
いやー、マジ可愛い可愛い」



爆笑してるんですが。



「何で笑ってるのか
意味不明なんだけど」


「いやー、やっぱ
こういうのいいわ。
何か、親父が昔言ってたの
今ようやく理解できたし」


「・・・・?」



「俺の母親さー
小1くらいで死んだんだけど
すっげぇコロコロしてて
お世辞にも美人じゃなくてさ。
でも、親父は
俺から見ても、すっげぇ男前で
昔、何でおふくろを選んだのか聞いた事あんだけど
そん時
素直な女は自分に自信がある女、素直じゃない女は自信がない女
だから、素直じゃないけど表情には出る単純な女が
どんな美人よりも可愛いって言っててさ。
そん時は何言ってんだって思ってたけど
今は、たしかにそれが理解できたなーって。
まさに、真弓がその通りだしな」


「・・・褒めてんの?」


「アハハハ、一応褒めてんだけどなー」


あんまり褒められてる気がしないんだけど・・・

単純って・・・褒めてんの?
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