叙情
「お、機嫌直ったか?」


お風呂上りに
そんな事を言いながら
私の隣に座ると
少し真剣な様子で


「なぁ、真弓
学校どうすんだ?」


「分かんない・・・
でも、お母さんの事があるから
もう・・行けない・・かな」


あの男が来る前は
お母さんが当たり前のように
私を学校に通わせてくれてたけど・・・

今、こうなってみたら
当たり前の事が幸せだったんだと気づくわけで・・・


「あと1年ちょいで卒業か?」


「うん・・・」


「ちゃんと卒業するか?」


「え・・・?」


「俺も仕事でいねぇし
家にいても暇だろ?」


「でも・・・・」


「まぁ、任せとけ」



そんな総一の言葉通り

翌週から、私は


「いってきます」

「あぁ、帰りは電話しろよ」

「うん、いってきます」


総一に学校近くまで送ってもらい

数ヶ月ぶりの学校へ足を向かわせている。




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