叙情
「建野さん!?すっごい久しぶりじゃない!?」


教室へ入るなり
話した事もないクラスメートが近寄ってきた。


「あ、うん・・」


「みんな心配してたんだよ。
っていうか、めちゃめちゃ可愛くなってるし
この髪色可愛い~」


やばい、このテンションについていけない・・・


そして・・・


「あれ、お前がボロクソ言った建野真弓じゃね?
学校来てんじゃん。
しかもイメチェンすげぇし。
沢木に言われた言葉がよっぽどショックだったんだな」


「別に俺何も言ってないし」



私に大打撃を与えてくれた
沢木くんとやらも
顔を合わせていただき・・・



居心地の良くない学校生活なわけだけど・・・



「建野さん、あとで事務室に・・・」


「あ、はい」


先生に呼ばれ、事務室に行くと


「これ、引き落とし口座変更したから
親御さんに渡しといて下さいね」


「はい・・・・」


引き落とし口座?


封筒を開け、中を見てみると


神崎総一名義の口座引き落としの書類で・・・


居心地の良くない学校生活だなんて
自分の甘ったれた根性が恥ずかしくなってしまっている。


全部全部・・・


今の自分があるのは
総一のおかげなのに・・・
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