叙情
そして、数ヶ月ぶりになる教室へと
今、足を踏み入れるわけで・・・



「建野さん!?うわー
めっちゃ珍しい」


そう言いながら駆け寄ってきてくれたのは

リオンくんと映画に行った時に遭遇した

あの4人組の1人だ。


「おはよう・・・」


「おはよう~
もう、このまま辞めちゃうんじゃないかと思ってたんだよー」


「うわっ、建野さんじゃん!」


仲良し4人組が
私を囲むように近寄ってきている結果

ものすごく目立ってしまっているわけで・・・


「お、沢木
あれ建野真弓じゃね?
すっげぇイメチェンしてるし。
よっぽどお前に言われた事がショックだったんじゃね?」


「俺何も言ってねぇし」


イヤな記憶も蘇ってくるし。

居心地がいいとは言えない学校での生活。


「建野さん、あとで
事務室に書類取りにきてくれる?」


「はい」


先生に呼ばれ、事務室に行くと

「引き落とし口座変更終わったから
この書類親御さんに渡しておいてね」


「はい・・」


と受け取ったけど・・
引き落とし口座変更・・?

茶色の封筒を広げ
中の書類を見ると

引き落とし口座名義人が

神崎総一になっていた。

そんな文字を見ると・・・

居心地いいとか・・悪いとか・・・

自分の甘ったれた根性が恥ずかしくなるのは当たり前の事で・・・
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