叙情
「まだ午前中なのに
よく寝れるわ・・・」


男が寝転がっている方を振り向き
呆れたように呟くと




「・・・なぁ?」


閉じていた目が開き
空を見たまま
そう問いかけてきた。

寝てなかったのか・・・



「何・・?」



「俺が言うのもあれなんだけどさ。
お前、一度
母親にだけでも顔見せた方がいいんじゃねぇか?」


そう言いながら
私の方に顔を向け
体を起こした。



「・・・え?な、何で?」


突然の言葉に
動揺が隠せず
目を逸らしてしまった私に
男は続けた。


「いや、別に帰れとか言ってんじゃねぇぞ。
ただ心配してっかなと。
一応ガキだし女だし。
せめて生きてますアピールしとくべきじゃねぇか?」


生きてますアピール・・・か。


たしかに、深く考えてなかったけど
突然帰らなくなったわけだから

大騒ぎになってる可能性もあるかもしれない。










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