叙情
「今度から俺の名前呼ばなかったら
こっから大通りまで
裸でマラソンな。」


「は・・・!?」


「簡単な事だろうが」


「分かりました・・・」


「んで、敬語つかったら
パンツ一丁で
一日過ごすのな」


「は・・えぇ・・!?」


何か・・・過酷な罰のような気するんだけど。


「はい、決まり。返事は?」


「は・・・う、うん?」


はいって返事も敬語になるんだろうか・・・

やばい、日本語の正しい使い方が全然分からなくなってきた。


「んで、何だったっけ?」


「え?あ、携帯・・・・
総一の携帯が鳴ってたと思う」


「ははは、あぁ、知ってる」


な・・・っ!?

わざと言わせた!?



「・・・最悪」


ふてくされるように
そう言うと


「わりぃわりぃ。
初々しくて
つい・・・な。ははは」



そう笑いながら

私の横に来ると


「明日は何して遊ぶか?」


私の顔を覗き込み
うっすらと見える男の顔に
思わず目をそらし、うつむいた。


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