叙情
短い時間の中で
あらゆる事を考えすぎて
答えが見つからない。


「どっちでもいい」


からかわれてるんなら
答えを出さなければいい。


「じゃ、キスしていい?」


「どっちでもいいよ」


「んー、それじゃあ
していいもんか分かんないじゃん?」


絶対答えを出せって事か。



「総一がしたかったらすればいいし
しなくていいんだったら
しなければいいし」


「ははは、こりゃ
俺が、油断しすぎてたわ」



油断?やっぱり、この男は意味が分からない。


「っ・・・!?ん・・・っ」


仰向けに寝ていた私の顔の上に
男の体が覆いかぶさり

唇と唇は重なり

驚き目を見開く私の目を
手で覆うと

唇が一瞬離れ


「目はつぶる。
んでもって口に力入れんな。」


そう言うと、再び
唇が重なり
強引に舌が絡み

息もままならない状態になっている。
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