叙情
「染めんの初めて?」

「うん、初めて」

「んじゃー、時間置かないと
色抜けねぇかもな~
俺、先流してくるけどいい?」


「いいよ」

「腹減ったら、フロント電話すりゃ何か食い物あるから電話しろよ。
テレビもいろんなとこ映るから
好きなとこ見て暇つぶしとけ」


「うん」


総一の言うように
リモコンを手に
電源を入れると、


「あんあんあんっ」


大音量で、しょっぱなから
女性の裸エプロンが画面に映るという思いもよらない状況に
リモコンを落とし慌てふためく私を


「はははは、何してんだ?」


脱衣所の方から顔を出し大笑いしている総一の姿。


「な、何でもないしっ!」


慌ててチャンネルを普通の番組にすると
シャワーの音が聞こえ始めた。


び、ビックリした・・

裸エプロンって・・・・


寝転びたいけど、ラップ巻いてるし・・・

20分ほどして目の前にあった鏡を見ると

ん?・・・・


かなりの茶色になってるような・・・


まさか金髪になるんじゃ!?

大急ぎで、脱衣所の扉を少し開け


「何かすごく茶色になってきたんだけど」

バスルームに向かって話しかけた。


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