叙情
「なっ?可愛いだろ?」


そんな総一の問いかけに
自分で言うのもどうかと思うけれど


「うん、すごい。可愛い」


鏡を見ながら
思わず、そんな言葉が出ている。



「元々のパーツはいいから
これが、真弓の本来あるべき姿なんだけどな。
何で今まで同世代の奴らと
化粧したり、髪染めたりしなかったのか
俺的には不思議で仕方ねぇんだけど。」



「周りで、髪染めてる子とかいないし・・・」



友達という友達は

勉強で少し話したり、お昼食べたりする程度だし・・・

そもそも家出する前に
見事に言われもない事で
バカ男に傷つけられて
私なんか・・・状態だったし・・


「もったいねぇな~
俺が真弓なら
男遊びしまくるけどな」


「そ、そんなっ!!
男遊びだなんて・・・」


私にできるはずない。


「ははは、だろうな。
真弓の最初の男は
幸せかもしれねぇな」


最初の男・・・?


「彼氏ができた時?」


「あぁ、その姿で
実は処女でしたってのは
男としては、かなり・・・くるな。」


「え?くるって
引くって事?」


「ばーか、んなわけねぇだろ。
本気で惚れるって事」


本気で惚れる?

愛される・・・?
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