叙情
「そういや、真弓は
男に免疫ねぇし
女みてぇなツラのリオンなら
いいかもしれねぇぞ」


総一の言葉に、また
勝手に傷ついてる自分がいる。


総一に悪気がないのは分かってる。

私が勝手に総一を好きなだけ。

でも・・・

その総一に言われるのは
さすがに、きつい・・・

そんな事を言われると
ますます、どう答えていいか分からなくなる。


「真弓ちゃん、お試しで
付き合ってみる?」


優しそうに笑いかけるリオンという男性に
何の言葉も返せない私。


「お試しなら迷う事ねぇじゃん。
何か違うなって思ったら
終了させりゃいいし」


「どう、真弓ちゃん?」


この雰囲気で

嫌ですなんて言葉が出せるはずがないじゃないか・・・



「よーし、カップル成立!
つー事で俺は先に帰るんで
後は、2人で親睦を深めて下さいな。
リオン、夕方には
真弓送ってこいよ?」


そう言いながら
私の持っていた袋を取ると
総一は
車の方へ歩いて行ってしまった。


初対面の男性と放置って・・・


男に免疫ないの知ってんだから
普通、いきなり放置しないでしょ・・








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