叙情
「真弓ちゃん
もう帰る?」


「うん、もう夕方だし・・」


「そっか・・・
じゃあ、送っていくね」


そう言うと
立ち上がり、着替えを始めた。


さすがに、着替えを見ているわけにもいかず


慌てて私も上着を羽織り
玄関でリオンくんが来るのを待っている。


その数分後


「総一から電話きたよ。
早く送って来いってさー
ほんとに
総一と何もないの?」



靴を履きながら
少し、険しい表情を浮かべている。


「何も・・・」


「ならいいけどさ。
じゃ、いこっか」


険しい表情は気のせいだったんだろうか。

リオンくんスマイルを浮かべ
私の手を握った。



「鍵しないの?」


「盗られるものないもん?」


盗られるものがなくても
この人のように
人当たりが良くて
ニコニコして可愛い顔してたら
ストーカーとか・・・


そういう心配は
まったくないのだろうか・・






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