On Your Marks…~君と共に~
「ねぇ、澪ー。監督たちはどこ行ったって言ってた?」
紗名は、このレースに興味がないのか、スタンドのベンチに座り込んで体を休めていた。
「えー?なんか、アイス買いに行くって言ってたような気がするよ?」
あたしの隣の澪が振り返らずにそう答えた。
「え?まじで?じゃーあたしもついていこーっと!」
そういって、ものすごい勢いでスタンドを降りて行った紗名。
__「On Your Marks…」
そのコールの瞬間、選手たちはスタートラインに並ぶ。
だけど、瞬1人は……
雰囲気が違った。
明らかに。