『大好き』っていいね

でも、お母さんの言ってること、間違ってる。

私はきっと、竜兄しか甘えられないと思う。

だって、竜兄といる時凄く楽しかったし。

自分でも、リラックスしてるのがわかるもん。

「…希奈…どっちにしたらいいのかわかんない。」

ワガママだと思う。

でも、もっと甘えたい。

お母さんはどうせあの人にベッタリだろうし。

いい母親を演じるだけだろうし。

疲れる。

てか、今こうしてることが1番しんどい。

「だったら、私といましょう。迷う必要なんてないわ。私が1番貴方をわかってるんだから。」

お母さんの表情は凄く優しい。

でも、お母さんは私をわからない。

わかってない。

てか、わかろうとしてない。

「…じゃあ、1番わかってくれてるなら、離婚なんてしてほしくなかった!!…だから、希奈のこと全然わかってない。どんな思いしてたかなんて。希奈になんも言わないで出てって。ムカついてるんだよ!!」

私は叫んだ。

もう、辛い想いなんてしたくない。

「…だったら、本当のお母さんに甘えていいのよ。ぶつけていいのよ。少しでも、貴方の見方でいたいの。」

表情は優しいけど、言葉にはお母さんと想いがあるんだ。

その言葉に私は安心した。

お母さんは、頑張ろうとしてくれてるんだと思った。
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