『大好き』っていいね
可憐が奈菜羽にパスを出した。
奈菜羽はシュート体制になる。
そして、思いっきりボールを蹴った。
ボールは少しだけ、左に回転していた。
入ったと思ったが、GKがボールを止めた。
「ドンマイ‼次決めるよ‼」
可憐わ奈菜羽を励ます。
「……あんたは点数入れられないから…」
距離があるからはっきりは聞こえなかった。
けど、今、奈菜羽をバカにしてた?
でも、ここで言い返しては喧嘩になってしまって、試合どころではない。
「寝言は寝て言え。」
奈菜羽は冷たくそういった。
目つき悪魔だ。
ボールは相手のもの。
取り返さなければ攻めることは出来ない。
「…希奈…。ボール、奪って。希奈なら出来るから…。出来ないと思っていても、やらなければならないからね。」
杏ちゃんは耳元でそう言った。
やっぱり、キャプテンらしくてかっこいい。
「やってやるわよ。任せなさい。キャプテン‼」
私は、相手が持っているボールを奪いに行く。
1対1の練習は、奈菜羽といっぱいやったから、出来ると思う。
知らない相手が目の前にいて、緊張すらる。
「…っ…」
でも、相手も同じみたい。
見た目はまだ、1年生くらい。
しかも、結構とろそう。
相手が焦ってるのを狙いボールを奪った。
私達は、結構攻撃型のチーム。
護りなんかに固めてたら、勝てるものも勝てないしね。
「キャプテン‼」
私は杏ちゃんにボールを渡した。
でも、今日は作戦がある。
攻めるだけではなく、ボールをキープしつつ、ゆっくりと点を決めて行くこと。
パス練は1年の時、嫌なほどしたから、結構身体も覚えている。
杏ちゃんは鈴(りん)にパスをした。
パスするのが、とってもうまい子。
セカンドチームの子だけど、試合にはしょっちゅうでている。
セカンドチームのキャプテンだしね。