『大好き』っていいね

でも、ゴールには入らなかった。

ポストにあたった。

シュートミスは初めて。

「…クソッ!!!!!」

奈菜羽はその場でしゃがんだ。

でも、まだ試合は終わったわけじゃない。


その後もシュートミスの連続。

相手に1点取られた。

そこで前半は終了。

奈菜羽はまだショックが大きいのか、ベンチに座ったまま、立たない。

監督も流石に交代指示を出した。


みんなも奈菜羽には何も言わないでそっとしていた。

「…奈菜羽、いつまでショック受けてるの⁇」

キャプテンの杏ちゃんがつめたくそう言った。

「……何回もシュート外して……ショック受けない人いないでしょ……」

奈菜羽はうつむく。

「杏ちゃん、やめなよ。相手のキーパーが強いんだよ。…奈菜羽も諦めないで。まだ試合終わってない。何回止められてもチャンスは何度もくるんだよ。そのチャンスから逃げてどうするの?」

今日は負けても仕方ないかもしれない。

でも、応援してくれてる人もいるのに、諦めるなんて、馬鹿げた考えかた出来ない。

「…負けてもいい。諦めるな。」

監督は後ろからそう言った。

本当は負けちゃダメだけど、それを覚悟で言ってること。

今の私達は、勝つことより、点をとることより大切なこと。

「よしっ‼奈菜羽!!応援してよ‼希奈たちは諦めないから!根性だけは負けねぇぞ‼」

奈菜羽にそう言うと、少し顔を上げ、柔らかく笑ってくれた。

元気でた。

後半頑張るぞ‼
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