『大好き』っていいね
「ねぇ、希奈ちゃん。竜ちゃんって優しい?」

「…え」

いきなりの質問にビックリした。

まぁ、優しいと言えば優しい。

私が崖から自殺したとき助けてくれた。

私の話を聞いてくれた。

優しく撫でてくれた。

彼女がいるのも納得出来る。

しかも、美女。

「はぃ…すごく優しいですよ、竜兄は。」

私は笑顔で答える。

愛衣さんの周りには花がとんでいるようにみえた。

「うっそー!竜ちゃん希奈ちゃんを頂戴!」

「きゃっ…」

また、私は抱きつかれてしまった。

苦しい…(泣)

「残念。流石に愛衣でも無理だわ。それと、希奈を離してやれ。」

ですよね。

だって、今日会ったばかりの赤の他人だし、そこまで親しく無い。

でも、嫌な気はしない。

「ふふっ。可愛いから許すわ。あーぁ。私も妹ほしいわ。希奈ちゃんみたいな妹がね♪」

愛衣さんは羨ましいみたいな目指しで私を力強く抱きしめる。

「私も、愛衣さんみたいなお姉ちゃんほしいな。」

なんて、柄にでも無い事をいってみた。

すると、愛衣はもっと強く抱きしめる。

「もぅ〜。可愛い〜‼お姉ちゃんになってあげるから〜。竜ちゃん結婚しよう‼」

「馬鹿いうんじゃねーよ」

流石に竜黒さんは呆れている様子。

「で、何で急に俺ん家に来たんだよ。」

竜黒さんは愛衣さんから私を解放しながら言った。

「うん…。あのね。親と喧嘩した。」

「ぷっ…」

笑ったのは竜黒さんだった。

愛衣さんはムッとした顔で竜黒さんをみる。

「もぅ‼しかも聞いてよ‼パパったら過保護すぎなのよ?竜ちゃんのこと話したら、きっとそいつは危ないからやめろっていうのよ?ひどくない?
実際別れようか悩んでるんだけどね?
でも、竜ちゃんの悪口はいってほしく無いのよ!」

なんか、さらっとひどいことと良いこと言ってる(笑)

「あー、うん。お前の好きにしろよ。」

竜黒さんと愛衣さんはきっとお互いにさめてるな。

「ねぇ、竜兄…」

「…な、なに!?」

聞きなれないのかビックリしている。

「何で簡単にそんな事言えるの?」

「は?」

「何で、付き合ってるのに、嫌とか思わないの?」



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