『大好き』っていいね


〜リビング〜


ガチャ


「希奈遅かったわね。竜黒君が呼びに行ってから結構時間たつわよ。」

お母さんは雑誌をみながら言う。

私はそのままソファに座る。

「片付けしてた。あれ、竜兄は?」

「秀の部屋よ。男の子はどんな話するのかしらね。」

なぜか、お母さんの周りに華が咲いている、ように見えた。

「あっ。それと、牛乳出しといたわよ。温めておいたけど、ぬるいかもしれないわよ。」

「大丈夫じゃない?ありがと。」

私はキッチンに向かう。

お母さんは、電子レンジの中にいつも温めた物をおいておく。

だから、少しはあたたかいままだと思うけど。

レンジをあけて、中からコップを取り出す。

「…やっぱりぬるいかも。後で冷たいものも飲んでおかないと。」

やっぱり風呂上がりは冷たい牛乳に限るでしょ。

私は一気にミルクを飲みほした。


からの、冷たいもの。

美味い!!

「あ、それと希奈。さっき、貴方の友達から電話あったわよ。」

大きな声で言う。

デカすぎる。

友達って誰だろ。

「友達って、誰?」

「確か、香里奈って言ってたわよ。下しか教えてくれなかったのよ。電話しておきなさいよ。」

香里奈。

香里奈ってあの香里奈?

久しぶりに聞いた名前。

早く電話しないと♪
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