『大好き』っていいね
第2章 家族

お母さん [希奈side]

それから、すぐに竜兄は起きてきた。

「希奈!?…何で、泣いてんの?」

竜兄は、私を抱きしめながら言った。

「ゔぅ〜…あのねっ…お母さんっがね…ヒック…お母さんがね。」

過呼吸になるんじゃないかって自分で思った。

「うん…大丈夫。落ち着いて話せる?」

竜兄は抱きしめたまま、頭を撫でてくれた。

私は、一息ついてから話始めた。

「あのね…お母さんがね…出て行っちゃったの。それでね。希奈ね。お母さん…謝ってたからね…思ったんだけどね。謝るほどなら、仲直りして欲しかったって思ったの…。それで、気づいたら泣いてた。もう、お母さんに会えないのかな。」

竜兄は何も言わず、抱きしめ、撫でたままだった。

それが、すっごく暖かかった。

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