『大好き』っていいね
さすがにこの時間だと、人もたくさん来ていて、走るに走れない。
しかも、あとちょっとでチャイムなるし。
私が向かってる場所はトイレ。
朝は誰もトイレを使わない。
なので、時々女子の中心的なメンバーがトイレで雑談している。
しかも、少し怖いし。
反論するとすぐに睨まれる。
トイレの前まで来る。
私は息を整え、深呼吸をして、中に入る。
「…結衣?」
結衣の名前を呼ぶが返事が無い。
「あれ?希奈じゃん。なんかよう?」
この子は、同じ小学校だった、島崎 香里奈(しまざき かりな)。
ハデなこだけど、明るく良い性格な子。
でも、最近、中心的なグループにいるせいか近づきにくくなっていた。
「香里奈か。ねぇ、結衣見てない?」
「結衣ちゃん?見てないよ?ねぇ、希奈も真紀達見てない?」
真紀と言うのは、最近香里奈と仲良しの子。
ふわふわした性格だが、噂では裏の性格があってかなりの腹黒とか。
「ううん。見てない。ありがとう、香里奈。」
「こっちこそ、サンキュー。見つけたら言っとくね。」
「ありがとね。じゃね!」
私はそれだけ言ってトイレを出た。
そして、また。
結衣を探す。