『大好き』っていいね
しばらくしてチャイムがなってしまった為、教室に戻った。
結衣は少し遅れて教室に入ってきた。
私は朝礼の間、結衣のことを考えていた。
イジメられてるとかそんな問題じゃなくて。
何なのかな。
よくわからない。
「希奈ちゃん?どうしたの?」
目の前には明がアップで写っていた。
「なんでもない。」
私がそう言うと、明は不安そうな顔をした。
「本当になんでもないから。心配しなくていいよ?ありがとね。」
明はパァっと明るい顔になった。
私がこんなことを言えるのは決まった人だけだから。
『ありがとう』なんて、他の人には滅多に言わない。
「それにしてもさぁ。結衣ちゃん、今日変じゃない?真紀ちゃんとずっと一緒にいるし。急にどうしたんだろう。」
明はまた、不安そうな顔をする。
それは、明だけじゃなくて、私も。
後で、結衣に聞いてみなきゃ。