『大好き』っていいね

帰り道は、ずっとボンヤリしながら帰った。

「…はぁ。ごめんなんて、今さら言えないしぃ〜。」

私は家で、ソファに座りながら後悔する。

でも、聞けて良かったのかも。

明も心配してたし。

本当のことは言えないけど、もう、仲良く出来ないことは言っておかなきゃなぁ。

「…はぁ〜。もう、いや‼」

と言ったところで、どうにかなるわけじゃないし。

一応、謝っておかなきゃいけない。

だって、それでも“大切な人だった”わけだし。

「くそ〜!!」

私は大声で叫んだ。

ガチャ

その直後、玄関があいた音がした。

「ただいま〜。」

竜兄が帰ってきた。

時計をみると7時30分。

いろいろ考えていたら、時間がたってしまっていた。

「おかえりなさーい!」

私がそう言うと竜兄はリビングに入ってきた。
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