『大好き』っていいね

次の日。

「いってきまーす‼」

「気をつけてな〜。」

私は家を出て、お母さんが待つ、あの公園に行く。


今日は、お団子頭に、短いGパンに半袖パーカー。

と、普通のファッション。

デートとかじゃないし。

親と会うだけ。


「ついてしまった…。」

今は公園前。

奥の方をみると、人が2人いた。

きっと、お母さんと紹介したいひとなんだろう。

いろいろと不安が出てくる。

本当にいい人なのかな?とか。

怖くないかな?とか。

私は恐る恐る中に2人に近づく。


「お母さん…」

私がお母さんを呼ぶと、振り向く2人。

お母さんは、明るい顔になっていた。

前は、すっごく暗い顔だったのに。

そんなに、あの人が嫌だったの?

「希奈!!来てくれて嬉しいわ!!よかった。久しぶりね。元気にしてた⁇あの人には何もされてない⁇」

お母さんは私に抱きついてきて、いろいろ聞いてきた。

そっか。

まだ、家出した事、言ってなかったんだ。

竜兄のことも。

「そうだわ。希奈に紹介したい人いるって言ったでしょ?それがこの人よ。」

お母さんは私を離し、後ろにいる人の方を向く。

「君が、希奈ちゃん⁇よろしくね。」

「…どうも…」

私は小声で挨拶をした。

< 59 / 137 >

この作品をシェア

pagetop