『大好き』っていいね
今はお店でクッキーを食べている。
チョコのクッキーがオススメメニュー。
家からこの店まで、結構な距離があるため、まだ竜兄はきていなかった。
「美味しいのね。このお店のクッキー。悠哉君にお土産で持って帰らなくちゃ。」
お母さんは幸せそうに話す。
私は自然と笑顔になる。
でも、心のどこかでは不安なんだけどね。
もしかしたら、作り笑いなのかな?
そんなの思ったって、私には関係ないのに。
「そう言えば、希奈の紹介したい人って誰?彼氏かしら?」
お母さんはふふっと笑う。
「違う。…あのね。お母さん。」
「なぁに?」
「希奈ね。今、お父さんと暮らしてないの。」
「えっ?」
「希奈…家出したんだよ。」
「だったら、なおさら私のところに…」
「でもね。ある人が私を大切にしてくれてるの。だから、希奈、その人ともっと、一緒にいたい!」