『大好き』っていいね
「でも、その人に迷惑かけるかもしれないのよ?」
お母さんは不満気な顔になる。
「でも、もっと一緒にいたいって、初めて思った人だから、いい、でしょ?」
私がそう聞くと、お母さんは黙って考え込む。
「いた‼希奈〜‼」
竜兄がお店の出入り口の近くで呼んでいる。
「あ、こっちだよ〜‼」
竜兄は駆け足で私たちのところに来る。
お母さんは何故か竜兄を睨んでいる。
「おっと、こんにちは。貴方が希奈のお母さんですね?俺、咲原 竜黒です。」
竜兄はニコッと笑う。
が、お母さんは竜兄を睨んだまま。
「お母さん?どうしたの?」
「貴方なんかに希奈を渡さないわ‼」
お母さんは大きな超えで言う。
私も竜兄もお店のお客さんもビックリしている。
「貴方に希奈の何がわかるの⁇」
竜兄も流石にキレたのか、お母さんを睨む。