『大好き』っていいね
「お母さん…やめてよ!」

私がそう言って、お母さんの肩をさわる。

「離して!!‼」

パチっ

「…いっ‼」

お母さんに思いっきり叩かれた。

手が凄くヒリヒリする。

「おいっ!何してんだよ‼」

竜兄はお母さんに怒鳴る。

お母さんはまた、竜兄を睨む。

周りから見てると怖いと思われるかもしれないけど、私からしたら、呆れる。

お母さん、大人気ないなぁ。

「もう、いいよ…竜兄、ありがとう。この人も希奈を捨てたんだ。あいつと同じでね。」

竜兄は心配そうにみてくる。

でも、お母さんは凄い顔で睨んで来る。

「産んでやったのに、生意気なのね!?」

「本当にウザいよね。勝手にあの人と喧嘩して、家でてって、母親ぶられてもうざいし。人の気持ちも知らないで。」

私は生意気な口で言ってやった。

実際、お父さんの時と違って、本音。

「それはこっちの台詞よ‼…あんたなんて、産まなきゃよかったわ‼」

お母さんは大声で叫び、肩で息を整える。

私は一瞬泣きそうになった。

流石に産まなきゃよかったって、酷くない?

「もう、いい。帰る。」

私はお店を飛び出した。

「待ってって‼希奈‼」

竜兄は必死でついて来る。

「やっぱり死んどけばよかった。自殺しとおけばよかった…。(ボソッ」

誰にも聞こえないような、小さな声で言った。
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