『大好き』っていいね

暖かい家族[希奈side]


私は必死に走って、誰もいない路地で息を整える。

竜兄はまだ追いついてない、みたいだった。

「もう‼娘をなんだと思ってるの〜‼もしかして、あの男に騙されてる?」

いや、違うか。

お母さんは元から、男にしか興味ないし。

女の私は眼中に無いだけだよね。

相変わらずムカつく正確だな。

母親にそんなこと、言っていいのかな?

「……もぅ…いやぁ。」

私は一つ、また一つと、なみだを流す。

こんなにも愛されてない子供がいるなんて。

自分って、不幸すぎる。

って、そう考えても仕方ないのに。

考えるたび、涙が出る。

止まらない。

「…ゔぅ〜…ぅ〜…」

私は声を出さないように泣く。

そして、私は壁によしかかりしゃがみこむ。

私って、こんなに泣き虫だったかな?

なんで、泣くようになったのかな?

いつから?


そんなの、考えなくても。

竜兄に会ってからって、わかってる。

優しくて、私の気持ちをわかろうとしてくれて、太陽みたいな存在。

ごめんね、ごめんね。

私ばっか、迷惑かけて。

「大丈夫…大丈夫だよ…。」

私は誰かに抱かれて、意識を無くした。
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