『大好き』っていいね

「あっ‼思い出した‼」

おばあちゃんの家に親戚達が集まった時にいた、お兄さん。

優しくしてくれたけど…。

「ごめんなさい…。レンちゃんだったとは…。」

そう。

会ったのはかなり前。

レンちゃんもデビューしてなかった時期。

「やっと思い出してくれた?よかった。」

しかも、別れる時、駄々をこねて、レンちゃんから離れようとはしなかったし。

変な印象持たれてたらどうしよう…。

「あ、のときは、お世話になりました。」

竜兄変わって〜、とアピールするが、よくわかってくれていない。

「元気な子だったから、忘れられなくて、つい、電話しちゃった〜。それと、竜黒に、もう敬語使うのやめてって言っといてね。声聞けただけでもよかったよ。また、いつか会えたら会おうね。じゃね。」

一方的に切られてしまった。

「レンなんだって?」

「竜兄に敬語使ってほしくないみたいだよ?」

「レン、俳優だし、敬語使っちゃう。」

「でも、友だちでしょ?」

「でも、あんまり学校来ないし、喋んないよ?」

「友だちは友だちだし。…早く買い物行こう。」

「そうだな…。」
< 71 / 137 >

この作品をシェア

pagetop