LOVEPAIN③
「じゃあ、もう帰ってもいいですか?」
成瀬がそう訊くと、お巡りさんは頷いた
「いいですよ。
今回は拾った女の子がそんな感じだから、
拾得物の届出もないからね。
本来なら携帯電話なんかこんな風に簡単にすぐに返せないのだけど、
僕が機転を利かせて直接発信履歴から電話をして……」
その後、そのお巡りさんの話が、
長々と続いた……
本来は、携帯電話等、二次犯罪に繋がるものは、
製造番号の控えで有る保証書等、
本当に自分のものだと確証出来るものがないと、
返せないらしい
それが、翌日とかになる事も
成瀬はその話を面倒臭そうに聞いていたが、
私の携帯電話が会社名義になっている事を思い出して、
「じゃあ、本来は面倒な事になっていたんだな?」
と、口にしていた
今回は、このお巡りさんが色々と緩い感じの人だったから、
最短のルートで手元に戻って来た
不幸中の幸いなのだろうか?