LOVEPAIN③

「あっ」


指輪をまだ嵌めていなかった事を思い出し、
鞄を開く


無くなったら一番困るのに、
こんな風に大切にしていない事に自分で気付いてしまう




帰ったら須田は居ないわけだから、
そんなに慌てなくてもいいのだけど




「あれ?」


鞄の内ポケットのチャックを開けて見るが、ない



手を入れて探してみるが、ない




「どうした?」



「指輪がないんです!」



鞄から財布や携帯電話や、
朝貰ったピル等を取り出して行く



そんな私の姿を見て、
成瀬は道路の端に車を停車してくれた


そして、もう日が落ちて暗いからか、
車内のライトを付けてくれた



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